WAGYU partⅢ~基本となる13部位とその特徴~【後編】

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牛肉解説シリーズ第4弾!

今回は前回に続き牛肉の各部位について解説いたします!
前回は7つの部位をご紹介いたしましたので、【後編】では残りの5つをご紹介!

※前回の「基本となる13部位とその特徴【前編】」も是非ご確認ください。
>前回の記事はこちら

・牛肉の部位 基本となる〝13部位〟【おさらい】

牛肉は『公益社団法人日本食肉格付協会』が定める『牛部分肉取引規格』に基づき以下の13の部位に分割され市場へと流通します。

1.ネック
2.カタ(ウデ)
3.カタロース
4.リブロース
5.サーロイン
6.ヒレ
7.マエバラ(カタバラ)
8.トモバラ
9.ウチモモ
10.シンタマ
11.ソトモモ
12.ランプ
13.スネ

精肉店や焼き肉店で販売される際には各部位はさらに細かく分割され、中には牛1頭から数㎏しか取れないような希少部位もあります。
では早速【前編】では紹介できなかった5つの部位をご紹介してまいります。

・ウチモモ

  

牛の後脚にある大きな赤身の部位で、その名の通りモモ肉の内側に位置します。
オオモモ、コモモ、ウチモモカブリといった部位に分割されます。
サシの入り方などに応じて様々な調理に適性がある万能部位です。

9-1.オオモモ

ウチモモで最も大きな部位であり、大きなものだと10㎏近いことも!
大きさを活かした様々な活用が可能。
大判のすき焼き肉や、塊肉でローストビーフ…もちろん焼肉等でも上質な赤身が楽しめます。

9-2.コモモ

ウチモモの前側に位置し、本来オオモモとは同じ一塊のお肉。
しかしオオモモとは肉質が大きく異なり、やや筋が入っているものの脂身はほとんどなく非常に上質な赤身。
また、とても柔らかいためステーキやローストビーフなどで人気の部位です。

9-3.ウチモモカブリ

オオモモとコモモに覆いかぶさるようについているお肉。
脂や筋も多くあまり形の良い部位ではないため、挽肉や煮込み用として流通することも多い。
お肉自体の旨味は強いため、丁寧に下処理をすれば焼肉等でも美味しくお召し上がりいただけます。

・シンタマ

丸い形状のから「芯玉(シンタマ)」と呼ばれています。
後脚の前側に位置しており、大きくマルとトモサンカクにわけられ、さらにマルを3つの部位に分割されます。

10-1.マルシン

マルを構成する部位の1つ。
シンタマの中心に位置する米粒のような形をした部位。別名シンシン(芯々)。
脂と赤身のバランスが良く、きめが細かく柔らかい肉質が特徴。
ステーキや焼肉をはじめ、形が良いためローストビーフなど幅広い用途で使用される人気部位。

10-2.カメノコ

マルを構成する部位の1つで、マルシンの外側に覆いかぶさるように位置している。
分割の際に亀の甲羅によく似た形状になることからカメノコ(又はカメノコウ)と呼ばれています。
水分の少ない赤身質のため火を通しすぎると硬くパサパサとした食感になるため注意が必要。

10-3.マルカワ

マルを構成する部位、最後の1つ。
マルシンを内側から覆うように付いているお肉で、脂は少ないが骨に接する部位でもあるため筋は多め。
骨周り特有の濃厚な旨味を味わえるが、硬さもあるため煮込み調理に適しています。

10-4.トモサンカク

モモの付け根に位置するお肉で、成形すると三角形であることからこの名称が付いている。
また、火打石に似た形状でもあるため『ヒウチ』とも呼ばれる。
赤身のモモ肉でありながらサシがよく入ることが特徴。
よく動かす筋肉なので硬い場合もあるが、サシが入るととろけるような食感が味わえる。

・ソトモモ

後脚の外側部分のお肉です。
赤身で味わいが強いお肉ですが肉質はやや硬めなので、スライスして「すき焼き」や「しゃぶしゃぶ」などに用いられることが多いです。

11-1.ナカニク

ソトモモの中で身体の外側にある大きな筋肉
牛の体重を支えており、非常に運動量のある部位のため肉質は硬め。
その半面、赤身肉としての味わいは非常に強く濃くなります。
しゃぶしゃぶなどの薄切りや、塊肉を活かしてローストビーフなどでの使用に適しています。

11-2.シキンボ

ソトモモの後側で、ナカニクとウチモモの間で円柱型に位置しているお肉。
ナカニクによく似た肉質で、薄切りやローストビーフでの使用に適しています。

11-3.センボン

筋が千本もあるような見た目がその名の由来とされています。
見た目に反して筋が柔らかく、焼肉で食べるとコリコリとした食感が楽しめます。
コラーゲンが豊富なため煮込み調理も非常に相性が良いです。
牛一頭から数㎏しか取れないため、希少価値も高い。

11-4.ハバキ

牛の後脚で、ふくらはぎのあたりに位置するお肉。
筋は多いですが、肉質自体は柔らかく味わいも濃厚。
センボンと同様にコラーゲンを豊富に含むため、煮込み調理にも適しています。

・ランプ

牛肉のお尻からソトモモに至るまでの部位。
サーロインからお尻にかけての「ランプ」と、お尻からソトモモにかけての「イチボ」により構成されているため「ランイチ」と呼ばれることもあります。

12-1.ランプ

サーロインからお尻にかけてのお肉で、きめの細かい上質な赤身が特徴。
柔らかくジューシーな肉質で、ステーキはもちろんタタキやソテー等で肉の旨味をダイレクトにお楽しみいただけます。

12-2.ラムシン

ランプの上側のお肉で、ランプの中で最も柔らかな部分。
クセが少なく、上質な赤身の旨味を存分に味わうことが出来ます。
もし苦手でないなら、焼き加減は是非レアでお召し上がりください。

12-3.ネクタイ

通常単体では流通しない希少部位。
細長くネクタイによく似た形状をしており、ランプの内側を覆うようにして付いています。
柔らかく旨味の強い赤身で、ステーキや焼肉調理に適しています。

12-4.イチボ

ナカニクと同一の筋肉で、ソトモモからお尻にかけてかぶさるように付いているお肉。
モモの部位の中でも比較的サシが入りやすく、しかっりめの食感と赤身の旨味を存分に味わうことが出来ます。
ステーキや焼肉はもちろん、ナカニクの側になるにつれて肉質は硬くなるため薄切りでも使用されます。

・スネ

前脚・後脚両方からとれ、前脚を「マエスネ」後脚「トモスネ」といいます。
筋が多く肉質は硬いため、基本的に焼肉調理には不向き。
コラーゲンを豊富に含んでいるため、長時間煮込むことで肉がとろけるような食感へと変化し大変美味です。

一口コラム【カルビとは】

ここまで多くの部位をご紹介してまいりましたが、『カルビ』は実は部位の名称ではないということをご存知でしょうか?
由来は韓国語で「肋骨周りのお肉」を意味する言葉だったそうですが、明確な定義はありません。
基本的にはバラのお肉を指し「脂身のあるお肉」というイメージが一般的でしょう。
“上カルビ”や“特選カルビ”といった名称にも明確な定義はなく、提供している店舗・事業者によって様々です。
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また、「赤身のお肉」を指す名称として『ロース』が用いられていましたが、『ロース』は本来背ロースや肩ロースと言った背中側のお肉を示す言葉です。
近年では消費者庁により指導が入り、細かく部位の名称で販売を行うお店が増えています。

まとめ

いかがでしたか?

様々な部位により異なる味わいが楽しめる牛肉、その奥深さを感じていただけたのではないでしょうか!

お肉の特性を理解し、適した調理法でお召し上がりいただくことで、その美味しさはさらに広がります。
是非自分好みのお肉を探してみてください!

次回は内臓(ホルモン)について解説いたします。
お肉とはまたひと味異なる世界に乞うご期待ください!

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