WAGYU partⅢ~基本となる13部位とその特徴~【前編】
牛肉解説シリーズ第三弾!
今回は牛肉の部位について解説してみたいと思います!
牛肉には様々な部位があり、その部位の数だけ楽しみ方は広がります。
非常にたくさんの部位があるため【前編 / 後編】に分けてご紹介いたします。
※前回の「牛肉の格付けについて」も是非ご確認ください。
>前回の記事はこちら
牛肉の部位 基本となる〝13部位〟
牛肉はまず『枝肉』と呼ばれる状態に加工され、その後各部位へと分割されます。
分割の際は『公益社団法人日本食肉格付協会』が定める『牛部分肉取引規格』に基づき以下の13の部位に大まかに分類されます。
2.カタ(ウデ)
3.カタロース
4.リブロース
6.ヒレ
7.マエバラ(カタバラ)
8.トモバラ
10.シンタマ
11.ソトモモ
12.ランプ
13.スネ
精肉店や焼き肉店で販売される際には、各部位をさらに細かく分割し、中には牛1頭から数㎏しか取れないような希少部位もあります。
ここからはそれぞれの部位の特徴を細かく解説していきます。
・ネック
由来はその名の通り『首』のお肉であることから。
首回りは運動量の多い部位なので、脂は少なく硬くスジっぽい肉質になります。
主にひき肉やこま切れ(スライス)として利用され、煮込み料理などであれば角切りも相性が良いです。
・ウデ
肩周りのお肉で、複数の部位により構成されています。
運動量があるため基本的には赤身が中心ですが、部位により肉質は大きく異なります。
ウデはさらに以下の部位に分割されます
2-1.ミスジ
片腕から3kg程しか取れない希少部位で、赤身ながら細やかなサシが入るのが特徴。
旨味も強く焼肉用やステーキ用として大変人気があります。
内側に入っている三本の大きなスジが、その名の由来とされています。
2-2.ウワミスジ
ミスジの上側にあるためウワミスジと呼ばれるそう。
柔らかな赤身質で、非常に上品な味わいのお肉です。
こちらの部位単体で流通することはめったにないため、希少性は高!
2-3.トウガラシ
別名「トンビ」。唐辛子や鳥の口ばしによく似た形状をしているためそのように呼ばれます。
少し硬めで、きめの細かい赤身の肉質が特徴。
火を通しすぎるとパサパサになるため、ローストビーフやレアステーキなどに向いています。
2-4.クリ
ウデの中で一番大きくメインの部位。三角の形状から、「カタサンカク」とも呼ばれます。
大きな部位のため一部には硬い肉質も見受けられますが、全体的には非常に上質な赤身肉。
焼肉・しゃぶしゃぶ・煮込みなど幅広く扱われます。
・カタロース
肩の付け根から背中側にかけての部位で、「ロース」と呼ばれる部位では最も首寄りの部位。
「ロース」の由来はロースト(オーブンで焼くこと)に適しているからなのだとか。
複数の部位から構成され、首に近いほど硬い部位になります。
3-1.ザブトン
背中から肩甲骨の下にかけて、肩ロース芯に覆いかぶさるように位置する部位。
座布団のような形状からこの呼び名が付けられ、肩甲骨をハネに見立て「ハネシタ」とも呼ばれます。(※諸説あります)
肩ロースの中で最もサシが強く、赤身の旨味と脂の甘みを併せ持つ。
焼肉やステーキで人気の部位。
3-2.肩ロース芯
肩ロースの中心部分で、ザブトンの内側あたりから背ロース側に向かって位置する芯のお肉。
肉質は基本的には柔らかく、サシも入るためジューシーかつ濃厚な味わい。
肩ロースとリブロースの断面は格付の際、判断基準面にもなるため、そういった意味でも重要な部位になります。
・リブロース
牛の背中の部位でロースの中間に位置します。
リブロース芯と、その外側にかぶさるように位置するカブリに分けることができる。
きめの細かいサシが入り柔らかく、赤身の旨味も楽しめる。
大きく判が取れるため、分割せずにしゃぶしゃぶなどに使用するのも人気です。
4-1.リブロース芯
リブロースからカブリを除いた芯の部分。リブアイやリブアイロールとも呼ばれる。
分割の際に余分な脂の多くは除去されるため使用はしやすい。
柔らかくジューシーでサシも十分に入るため、厚切りのステーキからしゃぶしゃぶやすき焼きといった薄切りまで幅広く人気の部位。
4-2.リブカブリ
リブロース芯の外側にかぶさるようについているお肉。
脂を取り除いた部分は平な形状で、赤身の旨味が強い。
焼き加減によっては硬さを感じるため、火を通しすぎない調理法や、薄切りでの使用に適している。
・サーロイン
その美味しさから「サー(貴族への敬称)」の称号を与えられたことが由来とされています。
余分な脂肪は少なく、きめが細かく上質なサシが入るためとても柔らかくジューシー。
肉の旨味も十分で、ステーキはもちろん、ローストビーフなどでも非常に人気の部位。
・ヒレ
サーロインの内側に位置し、最も運動量が少ないとされる部位。
そのため非常に柔らかな食感が特徴で、適切に調理すれば赤身の繊細な旨味を存分に堪能できる。
その美味しさと希少価値の高さから、牛肉の中でも最も高級とされている。
フランスの政治家シャトーブリアン氏が好んで食べていたことがこの名の由来とされている、ヒレの中心の最も厚みのある部分。
赤身でありながら程よくサシが入り、ヒレの中でも特に柔らかい。
高級部位であるヒレの中でもさらに希少な超高級部位。
6-2.テート
ヒレのお尻側に位置する部分。
サシが少なめで赤身を強く感じることが出来るお肉です。
やや筋っぽさはありますが、肉の旨味を存分に楽しめるためステーキなどでも人気。
6-3. フィレミニヨン
ヒレのリブロース側に向かって細くなっていく部分。
形状的に大きな判は取れないが、柔らかな肉質や繊細な旨味はシャトーブリアンにも引けを取らない。
・マエバラ
肩ロースの下側、位置的には胸にあたる部位。
“アバラ”に面する部位で、前側であることからマエバラと呼ばれます。
複数の肉質の異なる部位が組み合わさり、脂肪と赤身が層になっている。
7-1.三角バラ
成形すると三角形になることからこの名称がついたとされている。
サシが強く入りやすく柔らかい肉質、濃厚な脂の甘みと風味が楽しめます。
網焼きであれば余分な脂を落とせるので、焼肉に最適な部位の一つとされている。
焼肉店では上級のカルビ肉として提供される事が多い人気部位。
7-2.ブリスケ
三角バラの外側にあたる胸の部位。
肉質は少し硬めですが、濃厚な甘みと強い旨味を併せ持つお肉です。
前側と後側で肉質が異なり、前側の先端は柔らかく、後側に向かうにつれ硬くなり余分な脂肪も多くなります。
前側の柔らかな部分は焼肉等で、後側の固い部分は薄くスライス等での使用が望ましいでしょう。
7-3.テンカイチ
牛の胸部、表面に位置する運動量の多いお肉。
由来が「天下一(テンカイチ)硬い」と言われるほど肉質が硬く、焼肉などには不向き。
薄いスライスや挽肉など、あるいは煮込み調理等に用いられる。
・トモバラ
アバラからお腹にかけてのお肉で、内側をナカバラ、外側をソトバラと分割する。
ナカバラはさらに、ショートリブ、ツーリブ、カイノミ、ゲタ、など。
ソトバラはショートプレート、フランク、インサイド、などと分割される。
8-1.ショートリブ
ナカバラで、アバラ骨に接している部位。
アバラ骨を外し、後に残るバラ山を切り取って残った平らなプレート状の部分です。
脂は多めだが、その分濃厚なコクと旨味があり焼肉にも適しています。
8-2.ツーリブ
三角バラにつながるお肉で、肋骨2本分をショートリブから切り離すことからツーリブという呼び名がついている。
肉質は三角バラと同様に脂が乗っており、非常に濃厚な味わい。
焼肉店では上級なカルビ肉として扱われることが多い。
8-3.カイノミ
ナカバラの後側部分で比較的ヒレに近い位置のお肉。
身体の内側にあり、運動量の少ない部位にあたるためとても柔らかい。
赤身肉とバラ肉両方の良さを兼ね備えており、品のある旨味と食感が人気です。
8-4.ゲタ
アバラの骨と骨の間のお肉。
履物のゲタによく似た形状が呼び名の由来で、中落やバラ山などとも呼ばれる。
脂や筋は多いですが、骨周りのお肉には特有のコクや旨味があるため根強い人気があります。
8-5.タテバラ
ソトバラの前部分で、ショートプレートとも呼ばれます。
脂の旨味が濃厚な部位で、こってりとした味わいは焼肉用に向いています。
8-6.フランク
ソトバラの後部分でカイノミの下側、モモに近い位置にあるお腹のお肉です。
笹の葉の様に長い筋繊維が見えるため、別名ササミとも呼ばれます。
フランクはきめが細かく引き締まった食感が特徴です。
脂を適度に含んでおり、くどさのない食べやすいお肉です。
8-7.インサイドスカート
ソトバラの内側に位置し、横隔膜(ハラミ)の基盤となる部分のお肉。
食感や旨みはハラミに近く、柔らかくて脂の甘みとコクを味わえます。
焼肉用や、塊肉で豪快にステーキなどでも美味しく召し上がりいただけます。
【前編】まとめ
今回はここまでになります、いかがでしたか?
同じ部位でも呼び方が違ったり、位置の近い部位でも肉質が全然違っていたりと、知れば知るほど食べるのが楽しみになってきますね!
今回は【前編】ということで8/13部位を解説させていただきました。
次回は【後編】!
残り5つ部位について解説いたします。
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