年末年始必見⁉『おせち料理』の奥深すぎる世界

お正月, 料理

本年も残すところあとわずかではございますが、新年を迎える用意はもうお済でしょうか?
今回は、新年といえば欠かせないものの一つ『おせち料理』について少しお話しできればと思います。

【『おせち料理』とは 】

『おせち』とは季節の節目に当たる『節(せち)』の日を指す言葉で、漢字では『御節』と書きます。
元々は五節句の祝儀料理全てを言ましたが、節日のうち最も重要なのが正月であることから次第に正月料理を指すようになりました。

一つ一つの料理は、火を通したり干したり、あるいは酢に漬けたり味を濃くしたりするなど、日持ちする物が多く、
理由にはいくつかの説があるそうです。

「お正月の間、料理をせずにゆっくり家族と過ごすため」、「正月にお店がお休みになり、食材が手に入らなくなることに備えるため」、
「神様を迎えるにあたり、物音や火を使うことを慎むため」などの理由が考えられています。

洋食料理人が多く在籍している弊社でもこの考え方にはとても助けられており、一年で一番穏やかに過ごせる期間となっております。
普段忙しい両親に親孝行するのにもいい時間になりますね。

最近では、伝統的なおせち料理に加えて洋風や中華風などのオードブル、一風変わったおしゃれなアレンジも見かけます。
さらには冷凍技術の向上などにより、有名シェフや老舗の料亭、などが作るおせちを通販で楽しめるようになりました。
企業によっては、料理人も年末のクリスマスから新年会までフル回転で稼働しているところもありますよね。

【 定番のおせち料理 】

おせち料理は「祝い肴」「口取り」「焼き物」「酢の物」「煮しめ」の5種類に分けられます。
一品一品が縁起物であり、それぞれ多くの意味が込められています。

ここからはそれぞれの料理について簡単に解説させていただきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

<祝い肴>

1.黒豆
『まめ』の語源には「苦労もいとわず、精を出して取り組むこと」や「体が丈夫なこと」があり、そこから「まめに元気に働けるように」
との意味が込められているとされています。

また、黒色は邪気を祓う力のある色ともいわれています。

2.数の子
ニシンの卵、たくさんの卵が並ぶ様から「子孫繁栄」の縁起物とされています。
『ニシン=二親』と字を当て、両親の健康長寿を願う意味も持つそうです。

3.田作り
カタクチイワシの稚魚のことを指しており、その昔イワシを肥料に田畑を耕したところ豊作になったことから
「五穀豊穣」の縁起物とされています。

また、尾頭付きということも縁起がよい品といわれています。

<口取り>

4.かまぼこ
包丁で切り分けた際の半月形が「初日の出」のようだとされ、紅白の色合いもあり料理を華やかに彩る一品。
紅は「慶び」や「魔除け」、白は「神聖」や「清浄」を意味した色なのだそうです。

5.伊達巻
長崎が発祥とされ『カステラかまぼこ』と呼ばれていたそうですが、伊達者たちの着物に似ていたことから
『伊達巻」という呼び名が付いたといわれています。

巻物のような見た目から知識が増えるとされ「学業成就」の願いが込められています。

6.栗きんとん
山の幸を代表する栗は古くから『勝ち栗』と呼ばれ、勝負事に臨む際のゲン担ぎとしても食されてきました。
また、栗きんとんは美しい黄金色であることから「金運上昇」の縁起物としての意味もあるようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<焼き物>

7.鯛(タイ)
皆様ご存じ、「めでたい」と縁起の良い魚。
長生きする魚なので、長寿の象徴でもあります。

赤色で姿形も美しく、恵比寿様が持っている魚ということから七福神信仰とも縁があるといわれています。

8.鰤(ブリ)
成長とともに名前が変化する魚、出世魚であることから「立身出世」の縁起物とされています。
成長を願う人が1年の最初に食べることでご利益があると考えられています。

9.海老(エビ)
長い髭や腰が曲がっている様子から長寿を連想させるため、長生きを祈願する縁起物とされています。
また、脱皮を繰り返すことが「成長と発展」、目が出ている様子が「めでたい」、などとする意味合いも込められているといわれています。

<酢の物>

10.紅白なます
人参と大根で作られる酢の物、両方根菜であることから「根を張るように」という願いが込められています。
また紅白の色合いが、のし袋やのし紙など祝い事で使われる水引きに通じるものであるとされおせち料理の一品として数えられています。

11.酢れんこん
れんこんには複数の穴があり先を見通せることから、新年の初めに食べることで「見通しの明るい一年」を迎えられるようにとの願いが
込められています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<煮しめ>

12.筑前煮
れんこんや大根、人参などのたくさんの根菜と鶏肉を煮込む一品。
一つの鍋で多くの具材を一緒に煮込むことから「家族が仲良く結ばれながら繁栄するように」という意味が込められています。

13.手綱こんにゃく
こんにゃくの中央に切込みを入れ、くるくると手綱のようにねじった煮物料理です。
「手綱を締めることで心を引き締め律する」という意味があり、結び目には「良縁」に恵まれるよう祈りが込められています。

14.里芋
里芋は種芋から多くの子芋や孫芋がつく様から、「子孫繁栄」の願いが込められています。
また、丸い形には「夫婦円満」の意味も込められているといわれています。

<おせち料理と重箱>

様々な説がありますが、おせち料理が重箱に詰められるようになったのは江戸時代後期頃といわれています。
おせち料理の中身を重箱に詰めるのは、「祝い事を積み重ねる」という意味があるのだとか。

五段重を使うことが一般的で、上から「一の重」、「二の重」、「三の重」、「与の重」、「五の重」と数えます。

昨今では家族の数が減少したことや、おせちを作る手間などから三段重が主流になりつつあります。
『一人用おせち』なんて物も見かけることがありますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在主流の三段重には、以下のように詰めていきます。

  • 一の重「祝い肴」「口取り」
       ⇒ 栗きんとん、かまぼこ、伊達巻き、田作り、数の子、黒豆など
  • 二の重「酢の物」「焼き物」
       ⇒ 酢れんこん、紅白なます、海老、鯛、鰤など
  • 三の重「煮しめ(煮物)」
       ⇒ 筑前煮、手綱こんにゃく、里芋など

まとめ

定番のおせち料理について解説させていただきましたがいかがでしたでしょうか。
おせち料理一品一品に込められた様々な願いを知ることで、お正月がさらに待ち遠しいものになったのではないでしょうか。

それではよいお年をお迎えください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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